iPad Proでファッションをデザイン|Appleが公開したFreeform・Procreate活用事例

iPad Proでファッションをデザイン|FreeformとProcreateを使った制作事例

iPadで集めた写真や生地の資料が、実際のファッションショーにつながる。Appleが2026年10月14日に公開したのは、iPad Proを制作の中心に使ったファッションブランド「Les Benjamins」の事例です。

デザイナーのBünyamin Aydın氏は、トルコ・カッパドキアの自然や文化から着想を得て、10種類のルックと3基のオリジナル熱気球をデザインしました。iPad ProとApple Pencil Proを使い、構想からチームとの共有、デザインの修正まで進めています。

iPad Proを使ったファッションデザインの制作風景(Apple Newsroom公式記事)

画像出典:Apple Newsroom「Bünyamin Aydın’s new collection, “From Earth to Sky,” soars with iPad Pro」

Freeformは写真・生地・アイデアを集める場所

Aydın氏は現地で撮影した写真や生地の参考資料、初期のデザインをAppleの「フリーボード(Freeform)」にまとめています。

写真、配色、素材の候補をひとつのボードに並べ、チームにも共有できるのが特徴です。完成案だけを見せるのではなく、考えている途中の資料を共有することで、制作の過程をチームで確認できるようにしています。

iPadで服を作る場合も、気になる生地、型紙の写真、着用イメージをFreeformに集めると、デザインを考えるための資料を一度に見渡せます。

Procreateで形や色を検討する

具体的なデザインにはProcreateを使用しています。熱気球のデザインでは、元の案を複製し、形や色を変えながら複数のバリエーションを検討しました。

実際に飛ばせる構造かどうかは専門の協力会社が確認し、その技術的なフィードバックを受けてProcreateで修正しています。iPadで描いた案を、そのまま実物にするのではなく、制作上の制約を踏まえて修正する工程が印象的です。

iPad Proのマルチタスクも活用

Appleの紹介では、Procreateで描きながらSafariで調べものをし、旅行中の写真も参照する使い方が登場します。Apple Pencil Proのホバーやスクイーズなども、道具を切り替えながら作業する場面で活用されています。

ショーの映像はiPhone 18 Pro Maxで撮影。企画から制作、発信まで、複数のApple製品を組み合わせたプロジェクトです。

洋裁・ニットソーイングならどう応用できる?

個人の服作りやニットソーイングでシルエットを設計する場合も、ツールの役割を明確に分けることでスムーズに進められます。

  1. Freeform:好きな服の写真、デザインスケッチ、生地サンプルの写真を一枚のボードに並べ、目指す雰囲気を決める(ムードボード)。
  2. Procreate/手書きアプリ:身頃・袖・襟などの候補を描き比べ、具体的なシルエットや配色を検討する。
  3. Obsidian:使用した原型、補正寸法、生地の伸縮率、試作結果をMarkdownで記録する。
  4. Git:MarkdownやSVG型紙など、差分を追いやすいテキスト形式の変更履歴を残す。

Freeformのボードだけに記録を閉じ込めず、完成時点の画像やPDFを書き出し、作品ノートにリンクしておくと後から探しやすくなります。

「視覚的に考える」と「変更を記録する」は別の仕事

今回の事例で参考になるのは、Freeformが視覚的な構想と共有の場所になっていることです。対して、制作途中でどの寸法を何mm変えたか、どの生地でどう着心地が変わったかは、Markdownなどのテキストで管理すると比較しやすくなります。

Freeformはアイデアを広げる場所、Procreateは具体的なデザインを描く場所、Obsidianは完成後の制作経験を残す場所。このようにアプリの役割を分ければ、ひとつのアプリにすべてを集めなくても、制作と記録のサイクルを無理なく回せます。

※これはApple公式の制作事例をもとに考えた応用案であり、Les BenjaminsがObsidianやGitを利用しているという意味ではありません。

出典・画像: Apple Newsroom(2026年10月14日)