Anki
Anki(AnkiMobile Flashcards)は、科学的な間隔反復(分散学習)アルゴリズムを用いて効率的な記憶定着を支援する、公式の単語帳・フラッシュカードアプリです。
世界中で20年以上にわたり利用されているオープンソースの学習プラットフォーム「Anki」の公式iOS/iPadOS版として開発されており、iPhoneやiPadで本格的な反復学習を行えます。

忘却曲線に基づく科学的な復習間隔(SM-2 / FSRS)
Ankiの最大の特徴は、人間の記憶の忘却曲線に基づき、カードごとに最適な復習タイミングを自動計算して出題する点です。
従来の単語帳のように全てのカードを毎回同じ順序でめくるのではなく、「すでに覚えたカード」の出題間隔は数日、数週間、数カ月と長く伸ばし、「定着していないカード」を集中的に出題します。
デスクトップ版と同じ実績あるSM-2アルゴリズムに加え、最新のFSRS(Free Spaced Repetition Scheduler)にも対応しています。学習者はカードを見て答えを確認し、自分の記憶状態に合わせて「もう一度」「難しい」「普通」「簡単」のボタンを押すだけで、次回出題される日時が自動的にスケジュールされます。
iPadとApple Pencilを組み合わせた手書き学習(スクラッチパッド)
iPadでAnkiを活用する最大のメリットは、Apple Pencilを使った手書き機能(スクラッチパッド)との相性の良さにあります。
頭の中だけで答えを思い浮かべるだけでなく、画面上の手書きエリアにApple Pencilで直接スペル、漢字、計算式、構造図などを書き出してから解答を表示できます。

実際に手を動かして書く行為を挟むことで、うろ覚えの曖昧な知識を排除し、正確な記憶の定着率を高められます。書いたメモはワンタップですぐに消去できるため、裏紙やノートを用意することなくスムーズに学習を継続できます。
PC・スマホ・Webと完全同期する「AnkiWeb」連携
Ankiは、無料のクラウドサービス「AnkiWeb」を介して、Mac、Windows、Linux、Webブラウザ、iOSデバイスの間で学習データや進捗を完全同期できます。
パソコンの大画面とキーボードを使って効率的にカードを作成・インポートし、日々の復習やスキマ時間の学習はiPadやiPhoneで行うという使い分けがスムーズに行えます。
テキストだけでなく、画像や音声ファイルを含むメディアデータもデバイス内にオフライン保存されるため、通信環境がない場所でもストレスなくカードをめくって学習を進められます。
語学学習にとどまらない幅広い活用法
Ankiは英単語や資格試験の暗記ツールとして広く知られていますが、日常の知識や関心事を定着させるツールとしても柔軟に活用できます。
読書で得た知見、専門分野の用語、プログラミング言語の構文、アプリケーションのショートカットキー、さらには趣味の知識まで、忘れたくないあらゆる情報をカード化して手元に残せます。
数式を表示できるLaTeXやMathJaxのレンダリングに対応しているほか、図や写真の特定箇所を隠して出題する画像隠し(Image Occlusion)機能も備えており、理系分野の学習や解剖図・地図などの視覚的な暗記にも対応します。
Ankiの関連記事
iPad Workersやナレッジスタックで公開してきた、Ankiの実際の使い方と学習・知識管理に関する記事です。
iPad Workers Newsletter
- iPadを使った新しい内見体験や部屋の模様替え — 親子で都道府県をAnkiで覚えた体験と、iPad版の手書きメモ機能(2021年3月)
- #112:Notabilityのテープ機能でデジタル暗記カード作成 — Ankiのカードとの比較を交えながら、iPadのノートアプリを使った暗記方法を紹介(2023年11月)
ナレッジスタック
- Ankiデッキのカスタマイズの基本と、普段どんなことをどのくらいやっているかという話 — 英語学習のデッキ設定や復習時間、Obsidianとの連携例(2021年3月)
- 「覚える」ことと「知識を身につける」ことの違いはどこにあるのか — Ankiを単純な暗記にとどめず、知識の理解と定着につなげる考え方(2022年6月)
- Obsidian_to_AnkiでObsidianのノートから簡単にAnki問題を作る — Obsidianのノートから穴埋め式のAnkiカードを作成する設定方法(2022年12月)
- Spaced Repetitionプラグインで「Ankiっぽい」ノート見直しの仕組みを実現 — Ankiの間隔反復をノートの振り返りに応用する方法(2021年5月)
Ankiの特徴
- 科学的な間隔反復アルゴリズム(SM-2およびFSRS)による最適な出題スケジュール
- Apple Pencilを使って画面上に直接書いて解答できる手書きメモ(スクラッチパッド)機能
- 無料のAnkiWebによるMac、Windows、Linux、Web、iOSデバイス間の完全同期
- 音声・画像データを含むローカル保存による完全なオフライン学習対応
- 10万枚以上の膨大なカードコレクションをスムーズに扱える堅牢なデータベース設計
- タグ、難易度、学習状況などに応じた柔軟な検索とフィルターデッキ作成機能
- 数式レンダリング(LaTeX / MathJax)および画像隠しカードの作成対応
- 外部キーボードショートカットやゲームパッド操作への対応
Ankiの料金
AnkiMobile Flashcardsは、App Storeにて4,000円の買い切り(一回限りの購入)で提供されています。月額や年額のサブスクリプション(継続課金)は一切なく、一度購入すれば永続的にすべての機能を利用できます。また、Appleのファミリー共有にも対応しているため、家族で複数のiOSデバイスを所持している場合でも追加料金なしで利用できます。
パソコン版(Windows / Mac / Linux)およびWebブラウザ版(AnkiWeb)はオープンソースプロジェクトとして完全無料で提供されています。iOS版の購入代金は、オープンソースとしてのAnki全体の開発継続、機能追加、および無料同期サーバー(AnkiWeb)の運用費用を直接支援する資金として活用されています。
- iOS/iPadOS版(AnkiMobile Flashcards):4,000円(買い切り永続ライセンス、ファミリー共有対応)
- パソコン版(Windows / Mac / Linux):無料(オープンソース)
- クラウド同期サービス(AnkiWeb):無料(容量制限なし)
- 月額・年額サブスクリプション:なし
定期的な追加料金を気にすることなく、長期的な学習基盤として安心して導入できる設計となっています。
Ankiのアップデート内容
26.10:2026年11月3日:カード検索(Browse)画面の全面刷新と操作性改善
- カード検索(Browse)画面の全面刷新:構文直接入力やフィルターチップによる検索の高速化・高精度化、検索履歴・保存機能に対応
- カード一覧の表示改善:フラグやマークの視認性向上、スワイプやタップ操作のカスタマイズ、タップ時のデフォルトプレビュー表示に対応
- ソートと表示の切り替え:全フィールドでの並べ替え、カード表示とノート表示のワンタップ切り替え、検索結果件数のリアルタイム表示に対応
- 一括操作の強化:複数カードを選択しての保留・延期・フラグ・タグ・移動・削除、および直前操作のクイック取り消しに対応
- デッキ一覧の改善:各デッキの新規・学習中・復習・合計カード数を一覧表示、ラベルなしのコンパクト表示モードを追加
- 同期ステータス表示の明確化:同期待ちや要対応時のアイコン表示に対応
- 設定内に「通知」セクションを新設:アプリアイコンバッジの個別切り替えに対応
- エディタツールバーのスクロール対応や各種不具合の修正、アプリ言語設定の反映、VoiceOver対応の改善
25.09:2025年9月8日:デスクトップ版25.09との同期およびSafariデバッグ機能の追加
- デスクトップ版 Anki 25.09 の変更内容を反映
- 自動解答アクション「解答を表示」で「リマインダーを表示」をサポート
- レビュワーをSafariに公開し、カードテンプレートの不具合デバッグを容易化
- プレビュー画面を閉じる際に稀に発生するエラーを修正




